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2020/04/07

令和2年度4月始業式校長あいさつ

Tweet ThisSend to Facebook | by 管理者1
 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、予定通り始業式を迎えることができたことを大変うれしく思います。しかし、感染は現在も拡大していますので、対策を十二分に行い、感染を予防してください。
 さて、3月の終業式では、「新学期と将来に向けての準備をしてほしい。」という話をしましたが、春休みの過ごし方はどうだったでしょうか。
 ここ20年くらいの間に、インタ―ネットの出現により社会は大きく変わり、それに伴い教育環境も大きく変化してきました。昔の学びのかたちは、教師や知識のある人に教えてもらうか、専門書を読むことしかありませんでした。しかし今は、ネット環境と端末機があれば大体のことは検索して自分で知識を得ることができるようになりました。意欲さえあればいくらでも自由に知識を得ることができる時代になっています。
 平成19年頃、本校では西高祭のフリーマーケットの売り上げや書き損じはがきを集めて得たお金で、カンボジア王国シェムリアップ州郊外に井戸掘り支援を行っていました。現地では内戦からの復興が進まず、安全な飲料水を確保できないため、子供たちが命を落としていることを当時のチャリティ担当委員長が知ったことがきっかけでした。私も平成20年にシェムリアップ州に行き学校を訪問しましたが、そこの校長先生は「内戦により本はすべて焼かれ、知識者もほとんどいません。学ぼうとしても何もない。日本がうらやましい。」と言っておられました。その時、特に印象的だったのは、身なりは貧しくても、未来のために夢を持った生徒たちの目は光り輝いていたことでした。
 あれから12年が経ち、日本ではGIGAスクール構想がスタートし、今よりも快適なネット環境の整備や一人一台の学習用端末を導入する予定になっています。これは、情報を活用できる能力を高めることや、よりアクティブな学びを行うためですが、大切なのは皆さんが未来に何を描きたいのかです。今のところ、知識と活用との間に乖離(開き)があると考えると、その知識を未来へ繋げることが一番求められている能力です。活用できるものをフルに活用できないと、先ほど話した発展途上国の人たちに遅れをとってしまうのではないかと心配しています。
 過去から未来へと学びの意識を変えていくためには、意欲と感性が重要なカギとなります。皆さんの感性はとても柔軟で機能が高く、発信力も備わっていると私は思いますが、上手くいかないのは、自分の能力を活用することに慣れていないだけです。失敗を恐れず、頭に浮かぶ疑問やひらめきに光を当て能動的に活動することが、未来を拓くことに繋がります。興味関心を基にした探究を進めていき、学習アプリを使って未来への学びの深化を図ってほしいと考えます。そして論文やプレゼンソフトを使用するなど理論的に伝えるための表現力を身につけてください。
 学びについての意識を変えることが未来を切り拓くチャンスを生み出します。
 今年度は学びの意識を変え、自分を磨く1年にしていきましょう。
16:06 | 投票する | 投票数(21) | コメント(0)

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平成31年度入学式式辞

 校塔から続く桜は花びらを散らし、木々の若芽が吹き出す春爛漫の季節を迎えていますが、本日は中部地区四町の
教育長様をはじめ多数のご来賓の皆様のご臨席を賜り、多くの保護者の皆様のご出席のもと、このように盛大な入学
式を挙行できますことを心より感謝申し上げます。
 ただ今、百二十名の入学を許可いたしました。新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。そして、保護者の
皆様、本日は誠におめでとうございます。新入生の皆さんは、高校入試を見事突破され、本日の入学式を迎えられま
した。日頃から努力を重ねてこられたことと思いますが、保護者をはじめとする多くの方々に支えられているお蔭で、
今の自分があることを決して忘れてはなりません。支えていただいた方への感謝とその期待に応えようとする気持ち
を新たに、高校生活をスタートさせてほしいと思います。
本校は、大正三年六月に倉吉町立実科高等女学校として設立され、鳥取県立倉吉高等女学校等を経て、昭和二十八年
四月に鳥取県立倉吉西高等学校と改称し、今年度で創立百五年目を迎える伝統校です。多くの諸先輩方から受け継い
だ伝統は益々パワーアップして受け継がれています。生徒会活動は最近特に盛んになっていて、中でも毎年七月頃に
開催します西高祭では、ご来場いただいた皆様方に楽しんでもらえる学園祭を目標に年々充実した活動となっていま
す。昨年度は、第五十一回を迎え、リスタートをテーマに組織的な取組を見せてくれました。実行委員自ら学校の模
範となる生徒像をイメージして統制の取れた組織をつくり、個よりも集団を意識した取組は大変素晴らしいものにな
りました。  
部活動では、昨年度弓道部や自転車競技部の全国大会上位入賞をはじめ、卓球部が全国選抜大会に出場しました。また、
夏の県大会でベスト四に進んだ野球部など、運動部・文化部とも切磋琢磨しながら練習に励み、自分を大きく成長さ
せています。入学される皆さんにはそのような伝統も受け継いでほしいと考えています。
 さて、本校の教育目標は、「校訓である『立志』の精神に基づき、自らの志(使命感)を明確に持ち、将来、地域貢献
及び社会貢献のできる心豊かな人材を育成する」ことです。「立志」とは、自らの志を立て、失敗や挫折を恐れず、そ
の実現に向けて積極果敢に取り組むことです。そして、その目標を実現するための重点目標は次の三点です。
一点目は、「キャリア教育の充実」です。チャレンジグループ活動の目的は、10年後の自分の理想像をイメージした
とき、なりたい自分になるためには高校時代に何をやっておくべきかを考える進路探究です。皆さんに合格者登校日で
お願いした発展させたい興味関心からスタートします。具体的な流れとしては、社会の仕組みや課題を調査研究するこ
とによって自ら解決したい課題を発見し、より良い社会の実現に向けて、課題解決の方策を探究して提言をまとめます。
それに合わせてそのような学びを継続できる進路目標を設定します。目標を具体化することで意欲を高め、皆さんの夢
の実現のために自分を大きく成長させてほしいと考えます。
二点目は「人間力の向上」です。ここでは社会が求めている資質を学んでほしいと思います。具体的には、服装はもち
ろん、あいさつや返事、言葉遣いなど、高校生にふさわしい生活習慣や態度を身に着けることは言うまでもありません。
それに加え、他者への感謝や思いやりの心など豊かな心と表現力を身に着けてほしいと考えています。地域貢献、社会
貢献を行うためには人間的な魅力が必要です。皆さんには、社会が求める必要な資質を肌で感じてもらうためにも、講
演会や校外のボランティア活動などに積極的に参加して交流を行ってください。そして、人としてのより良い生き方を
模索してほしいと思います。
三点目は、「志を高く持ち、学ぶ意欲を向上させること」です。勉強は何のためにするのかというと、単に大学入試で
高得点を取るためだけのものではありません。自ら掲げた目標を実現するためです。高等学校で様々な教科科目を学ぶ
ということは、分析の視点を増やすことですから、自らの可能性を引き出すためにも、積極的に学んでください。また、
上級学校としての大学は、自分の設定したテーマを研究するところです。研究に必要な学力が身についているかを確認
するのが入試ですから、大学生活を充実させるためにも、基礎学力を身に着けておいてください。連続した過去ー現在
ー未来の繋がりの中で、未来をよりよく生きるためのヒントは、過去から繋がっている知恵や伝統にあると私は考えます。
教科書は先人の知恵や伝統を学びやすいようにまとめています。過去からの遺産を受け継ぎ、未来へとつないでいただ
きたいと思います。
五月には年号も「令和」に変わり新しい時代を迎えますが、これからの世の中は何が起こるか予測できないほどの不透
明な時代です。それを乗り切るための正解はどの教科書にも書いてありません。自分で考え、切り拓いていかなくては
なりません。本校で行っているチャレンジグループ活動は、自らの興味関心からスタートしますが、努力次第で将来の
自己実現に向けて大きく前進することも可能です。しかしそれは楽しいことばかりではなく、苦しい時も訪れるかと思
います。その時にどんなことを考え行動するかが将来に大きく影響すると考えます。
代々木競技場や東京都庁、倉吉市役所等を設計された建築家として有名な 丹下健三 さんは、「建築は才能ではなく
粘りだ」とおっしゃっています。天才と言われた建築家でさえもそう言わせているのは、センスだけではうまくいかな
いということであり、そこからどう粘って続けていくかが重要です。様々な課題を乗り越えることが成長することであ
り、皆さん全員が乗り越えるだけの資質を持っていますので、その力を活用できるように心を鍛えてください。そうす
ることにより未来は大きく広がります。皆さんの意欲的な取組により、三年間で大きく成長されることを心から期待して
おります。
最後に、本日、ご臨席を賜りましたご来賓の皆様、お忙しい中、新入生のために激励をお寄せいただき、誠にありがと
うございます。また、ご出席くださいました保護者の皆様、本日、確かにお子様をお預かりいたしました。私たち教職
員は、皆さんのご期待に添えますように精一杯取り組ませていただきますので、ご理解・ご協力を賜りますようお願いい
たします。ご臨席いただきましたすべての皆様に重ねて感謝を申し上げ、式辞といたします。

平成三十一年四月八日
                 鳥取県立倉吉西高等学校  校長 稲毛  靖